アメリカから輸入時の関税・消費税について

アメリカから商品が送られてくる際にかかる関税消費税について説明します。

関税と消費税の計算方法は、

関税 = 課税価格 x 関税率

消費税 = (課税価格 + 関税) x 10%

課税価格の求め方

関税計算のもととなる「課税価格」は輸入目的によって求め方が違います。

輸入目的は以下の2種類あります。

1)個人輸入

輸入者自身で使用するために商品を輸入することです。

個人輸入」の場合の課税価格 = 商品価格 x 0.6

2)その他

個人輸入以外の全てのケースです。例えば、

  • 販売用
  • 会社の備品
  • プレゼントや贈り物用
  • 共同購入

その他」の場合の課税価格は

「その他」の場合の課税価格 = 商品価格 + 購入にかかった費用

購入にかかった費用とはアメリカ内の送料、転送手数料などです。

以上のことからわかるように輸入目的が「その他」の場合の方が関税・消費税は高くなります。

そのため輸入目的が「その他」の場合にかかわらず偽って「個人使用」と申告される方がいますが、これは虚偽申告となりますのでご注意ください。

課税価格1万円以下の場合は免税となり、関税も消費税もかかりません

輸入目的が「個人使用」でも「その他」でも免税となります。

「個人使用」の課税価格は実際の商品価格の6割(60%)になるので、16,666円以下は税金がかからないということになります。

最近の円安で、16,666円は110ドルくらいになってしまいました。

ただし以下の商品は「課税価格1万円以下の免税」の適用外となります。

  • 革製のバッグ
  • パンスト、タイツ
  • 手袋、履物
  • スキー靴
  • ニット製(編物)衣類
  • その他 (こちら参照)

関税率には「簡易税率」と「一般税率」の2種類があり、輸入する商品の課税価格合計が20万円以下か超えるかでどちらを使うかが決まります。

課税価格が20万円以下 ⇒ 「簡易税率」を使う

課税価格が20万円超える ⇒ 「一般税率」を使う

簡易税率

関税率は商品の種類原産国によって決まりますが、それが数千種類もあるので調べるのが大変です。

そこで課税価格が20万円以下の場合は、7種類に大別し計算を簡単にしようというのが簡易税率です。

品目〔具体的な品目例〕関税率
1酒類
(1) ワイン
(2) 焼酎等の蒸留酒
(3) 清酒、りんご酒 等

70円/リットル
20円/リットル
30円/リットル
2トマトソース、氷菓、なめした毛皮(ドロップスキン)、毛皮製品 等20%
3コーヒー、茶(紅茶を除く)、なめした毛皮(ドロップスキンを除く) 等15%
4衣類及び衣類附属品(メリヤス編み又はクロセ編みのものを除く) 等10%
5プラスチック製品、ガラス製品、卑金属(銅、アルミニウム等)製品、家具 等3%
6ゴム、紙、陶磁製品、鉄鋼製品、すず製品無税
7その他のもの5%
簡易税率

簡易税率は輸入目的(「個人使用」「その他」)に関わらず使えます。

以下の商品は簡易税率が使えません。一般税率となります。

  • ハムの食肉調製品 (一般税率8.5%~)
  • たばこ (関税は無税ですがたばこ税がかかります)
  • ハンドバッグなどの革製品 (一般税率10%~)
  • ニット製衣類 (一般税率10%~)
  • 履物 (一般税率下参照)

一般税率

課税価格が20万円を超える場合は一般税率で計算します。

一般税率は実行関税率表で調べます。

実行関税率表の見方はこちらのページに詳しく書かれています。

原産地がアメリカの商品の税率は「日米貿易協定」の列になります(そこが空欄だったら「暫定」か「基本」)。

ただしこれは送られてくる国ではなく原産地の国です。

アメリカから送られてくる商品の多くは原産地はアメリカではなく中国やベトナムなどです。

課税価格が20万円以下でも希望すれば一般税率を使えます。

よく「関税がかからないためにギフト扱いで出してください」と言われますが、ギフトと認められるにはいくつか条件があります。

まず海外の家族や友人など「個人」から送られてきたものである必要がありす。

よってus-buyerから送られている時点でギフトとして認められません。

関税定率法基本通達14-21

履物の関税率

履物の関税率は、素材、用途、原産国などによって異なります。

素材

  • 革製: 30%または1足あたり4,300円のうち高い方
  • ゴム製またはプラスチック製: 10%または1足あたり2,150円のうち高い方
  • 繊維製: 20%または1足あたり1,075円のうち高い方

用途

  • 運動靴: 10%または1足あたり2,150円のうち高い方
  • スリッパ: 10%または1足あたり538円のうち高い方
  • その他: 上記素材による

原産国

  • WTO加盟国: 上記の一般税率
  • 途上国: 一般特恵関税制度 (GSP) により、上記税率より低い税率が適用される場合があります

  • 中国製の本革製ビジネスシューズ: 30%
  • ベトナム製のリサイクルポリエステル製スリッパ: 10%
  • カンボジア製の子ども用運動靴: GSP により5%